ツキノコグマIII
この冬の課題である「ツキノコグマ」を完成させることができたのは、つい先日のこと。
先に作ったVer.IとIIの型紙を使わずに、マウノの型紙を参考に、新しく型紙を作った。
ベア’顔’と’月’は1mm小さくした。それには私なりの理由があるのだけれど、ここでは説明は省略するけれど、たかが1mmと思うなかれ、この1mmの差は大きい。
どうすれば胴体に’月’を入れられるのか、から始まった私の探求は、ようやく4体目で終止符を迎えた。少し回り道をしたけれど、ピュリュ、ツキノコグマVer.I、Ver.2、この3体を作らなかったら、この子にはたどり着かなかっただろう。自力で作れたことがとても嬉しい。
そしてできあがったのがこちら!
ツキノコグマ Ver.III
名前は「ノア」。フランス語で黒という意。夫が付けてくれた。
ちょうど雪の季節だったので、小さなかまくらを作って写真を撮った。白と黒のコントラストがいいね。
さてと、これで冬の宿題はとりあえず終了。
階段を1段上がったような気分で、すごく嬉しい。
モノを作るときに私が大切にしているのは「回り道」です。
人から聞いたらすぐに分かることもあるけれど、それじゃつまらないと思うのです。探りながら自分の道を作っていくというのが私のやり方です。
これはどんなことでも同じ。料理仕事も回り道ばかりでした。私は料理学校に行ったことがないので、仕事を始めた頃はコンプレックスになっていましたけれど、自らの力で発見していくことは、人に聞いて知るより遥かに大切なことのように思えます。お手本がなく、台所でひとり、自分の味を求めていく連続なので遠回りばかりしていましたが、その代わり、ちゃんと自分の味を見つけることができたと思います。
テディベア製作は、最初の1体はさすがに教わりましたけれど、あとはもう、それこそ作って作って作りまくりました。1体作れば必ず、あ、そうかぁ!と気づくことがあって発見の連続。ベア製作の全工程を理解するまで、20体ほど作ったんじゃないかな。
モノを作るときには、ゆっくりと、ひとつずつ分かっていく、というのが私にはいい塩梅で、作れば作るほど、自分流というものを編み出していくので、何でも来い!みたいな感覚になるわけです。
回り道というのは、確実に前に進める術なのです。「正道」と言っても過言ではないかもしれません。
私は「大人のひとり遊び」が好きです。遊びといっても真剣勝負ですから、素材、色、形にはこだわりますし、今回のようにベアに月を入れたい!と思ったらとことんやります。その熱量は兎にも角にも「好き」であることが大前提。どれだけ自分を愉しませることができるか、がポイントで、嫌だけどがんばる、みたいな否定から動くことはしません。
回り道をしながらでも、好きなものだけを残して生きていく。これが私の人生の心得かもしれません。
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